ジャズピアノの名盤~定番の1枚から現代の人気作まで~
ジャズの中でもピアノが中心の作品……とりわけピアノトリオに対する日本人の愛着はただならぬものがありますよね。
ジャズピアノの魅力は多くありますが、繊細なフレーズから大胆なプレイまで可能なピアノという楽器と、間口の広いジャズという音楽ジャンルがタッグを組んだ時に生まれる可能性は、まさに無限大です。
今回の記事では、そんなピアノが中心となっているジャズの名盤を選出してみました。
歴史に残る定番の1枚から、新世代のピアニストによる人気作、少し変わったアプローチの作品までを幅広く網羅しております。
ジャズ初心者の方はもちろん、もっとピアノジャズを好きになりたいという方も要チェック!
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ジャズピアノの名盤~定番の1枚から現代の人気作まで~
SpainChick Corea
マイルス・デイビスさんの重要作品に参加したことで話題を集め、1972年にはリターン・トゥ・フォーエヴァーを結成、大きな成功を収めたチック・コリアさん。
その後も多くのグループ名義やソロ・アーティストとして、ジャンルにとらわれず多岐に渡る活動で音楽シーンをリードし続けるチックさんが、1989年にアコースティック・バンド名義でリリースした同名のアルバムを紹介します。
オリジナル曲とスタンダードなナンバーで構成され、チックさんのプレイヤーとしての力量はもちろん、美しいメロディを生み出す作曲者としての能力や、見事なバンド・アンサンブルの妙も楽しめる逸品として、自信を持ってオススメできる1枚です。
(KOH-1)
Tiger RagArt Tatum
ジャズピアノの神様と呼ばれた伝説のピアニストである、アート・テイタムさん。
彼のアルバム『Piano Starts Here』では時代の違う、2種類の演奏が楽しめます。
前半の録音は1933年でテクニックを駆使した、若さあふれる演奏を聴け、3曲目の『Tiger Rag』では、繰り広げられる圧巻のテクニックに聞きほれてしまいますよね。
そして、後半では1949年年録音の落ち着いた、美しい演奏が楽しめます。
どちらのアート・テイタムさんも素晴らしいのでぜひ聴いてみてください!
(濱田卓也)
DelarnaTommy Flanagan
マイルス・デイヴィスさんやジョン・コルトレーンさんなどのジャズ・ジャイアントのバンドでピアニストを務め、数々の名盤に参加してきたトミー・フラナガンさん。
自身のピアノトリオでも名盤を残していて、その一つが『Overseas』です。
アグレッシブかつ丁寧で、ブルージーな雰囲気を感じさせるサウンドがトミー・フラナガンさんの魅力です。
彼の演奏を聴くと、なんだかウキウキしてきませんか?
スウィングジャーナルでもゴールドディスクに輝いているこの作品は必聴の1枚ですよ!
(濱田卓也)
From WithinMichel Camilo
ドミニカ共和国出身のミシェル・カミロさんは、ラテンジャズを代表するピアニストで、圧倒的なリズム感とテクニックで数々の名盤を残しています。
今回は、そんな彼の1993年のアルバム『Rendezvous』を紹介します。
ベースにアンソニー・ジャクソンさん、ドラムにデイブ・ウェックルさんという凄腕ミュージシャンを従えたピアノトリオで、ミシェル・カミロさんが縦横無尽に暴れまわっています。
テクニックに裏付けられたハイセンスなオリジナルとスタンダードナンバーが選曲されていて、ぜひ聴いてほしい1枚です!
(濱田卓也)
Peaceful WarriorAaron Parks
1983年生まれ、ワシントン州シアトル出身のアーロン・パークスさんは、16歳という若さでアルバム・デビューを果たした早熟なジャズ・ピアニストです。
リーダー作はもとより、サイドマンとしても引っ張りだこで、同業者からもその才能を認められていることがわかりますよね。
そんなパークスさんが24歳の時に、2008年に名門ブルーノートから発表した『Invisible Cinema』は、彼にとってはメジャーデビュー作でもある記念すべき作品です。
全曲がオリジナルという意欲作となっており、繊細なプレイと情緒豊かなメロディ、ときに若さならではの荒削りな一面が垣間見られるところも魅力的ですよ。
2000年代以降のピアノジャズに興味がある方も、ぜひ手に取ってみては。
(KOH-1)
TrainingMICHEL PETRUCCIANI
先天性の骨形成不全症といった障害を乗りこえ、フランスにおける最高のジャズ・ピアニストといった高い評価を受けるミシェル・ペトルチアーニさん。
フランス人としては初となる、名門レーベルのブルーノートと契約を果たし、レジョン・ドヌール勲章を受章するなど、36歳という生涯の中で輝かしいキャリアを積み上げた存在です。
そんなペトルチアーニさんが1997年に来日公演をおこない、南青山の「ブルーノート東京」にて録音された『Trio In Tokyo』は、魂の熱演が真空パックされたジャズ史に残る名ライブ盤です。
情熱的なピアノを軸として、最高のピアノ・トリオとしてのスリリングなプレイの応酬に圧倒されることまちがいなし!
(KOH-1)