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【まずはこの1枚!】ジャズの名盤、オススメのアルバム
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【まずはこの1枚!】ジャズの名盤、オススメのアルバム

ジャズという音楽ジャンルに対して、皆さまはどのような印象をお持ちでしょうか?

何となくオシャレ、もしくは敷居が高そうといったイメージがあるかもしれませんね。

多くのサブ・ジャンルも存在するジャズの歴史は簡単に語れるものではありませんし、もちろん古い時代だけの音楽というわけでもないのです。

今回は、興味はあるけど何から聴いていいのか分からないといった方に向けて、まずはこの1枚、といったジャズ史に残るスタンダードな名盤の数々をピックアップしてみました。

ぜひ、チェックしてみてくださいね!

もくじ

【まずはこの1枚!】ジャズの名盤、オススメのアルバム

Study in Brown

CherokeeClifford Brown and Max Roach

多くの一流ミュージシャンからその才能を認められ、輝かしい将来が約束されていたにもかかわらず、25歳という若さで事故による急逝したクリフォード・ブラウンさん。

ジャズの歴史の中で、いわゆるハード・バップ期のトランペット奏者であり、その活動歴はたったの5年程度という短いものでしたが、クリフォードさんの残した名演の数々はどれも高く評価され、世界中のジャズ好きに愛され続けています。

今回紹介しているのは、クリフォードさんが名ドラマーのマックス・ローチさんとタッグを組んで1954年にリリースした『Study in Brown』です。

緊張感漂うドラムスとピアノの連打、そこに絡み合うように鳴り響くトランペットというオープニングがあまりにもカッコいい1曲目の『Cherokee』だけでも、メロディアスさとプレイヤーのエモーション、アドリブのセンスなどが高次元で共存したハード・バップの醍醐味が楽しめますね。

クリフォードさん自らが手掛けたジャズ・ブルースの佳曲『Sandu』なども心地良く、全編を通してとにかく聴き応えのある作品となっております。

夭折した天才の輝かしい才能を、ぜひこの1枚で味わってみてください!

KOH-1

Somethin’ Else

Autumn LeavesCannonball Adderley

大食漢が由来だという「キャノンボール」というあだ名も特徴的なキャノンボール・アダレイさんは、かのマイルス・デイヴィスさんが率いるグループでの活躍や、ジャズだけにとどまらないクロスオーバー的なサウンドで人気を博した代表的なアルト・サックス奏者です。

マイルスさんの名作『カインド・オブ・ブルー』や、実験的な作品『ビッチェズ・ブリュー』などへの参加と並行してソロでも活動し、1961年にはブラジル音楽の代表格セルジオ・メンデスさんと共演した『キャノンボールズ・ボサ・ノヴァ』がヒットを記録。

ソウル・ジャズの領域においても優れた作品を生み出すなど、多彩な活躍を見せたアダレイさんが1958年にリリースしたソロ・アルバム『サムシン・エルス』は、実質的にはマイルス・デイヴィスさんが統制を執った1枚とされています。

名門ブルーノートから生まれた作品の中でも名盤中の名盤であり、基本中の基本と言えそうな本作の聴きどころは多くありますが、やはりジャズのスタンダードナンバーの中でもとくに有名な『枯葉』における哀愁漂うアンサンブルの妙は、これぞ大人のジャズと言いたい落ち着きと豊潤な響きにうっとりしてしまいます。

ジャズを聴く最初の1枚として、ふさわしい作品と言えるでしょう。

KOH-1

Saxophone Colossus

St. ThomasSonny Rollins

『サキソフォン・コロッサス』とは、ジャズ・サックス奏者の巨人、伝説的な存在にふさわしいアルバム・タイトルですよね!

1956年にリリースされ、ジャズの歴史において非常に重要な1枚として評価されている本作は、先述したようにジャズ・サックス奏者の第一人者であるソニー・ロリンズさんの代表的な1枚であり、1950年代が生んだモダン・ジャズの最高峰です。

2010年には80歳を記念したツアーをおこなうなど、まさにジャズ界の生き字引といえるロリンズさんの若き日の姿が浮かび上がってくるような、豪快かつ温かみのある演奏が存分に楽しめる、まさに基本中の基本と呼ぶべきアルバムでしょう。

ロリンズさん自身がイギリスの伝承歌曲を基に作り上げた『St. Thomas』は、アルバム収録曲の中でもとくに人気の高い楽曲で、ジャズのスタンダードナンバーとして多くのミュージシャンにカバーされ続けています。

そういった点も踏まえて、テナー・サックスの音色を楽しみたいと思われている方や、これからジャズの世界に足を踏み入れようとされている方へ最初に聴いてほしい作品として大推薦させていただきたいですね!

KOH-1

A Love Supreme

AcknowledgementJohn Coltrane

『至上の愛』という邦題だけでも、神聖な響きと雰囲気を持ち合わせた芸術性の高さを予感させます。

実質的な活動歴は10年程度という短い期間でありながらも、ジャズ界における巨人として歴史にその名を残すジョン・コルトレーンさんが、1965年に発表した傑作『A Love Supreme』を紹介します。

冒頭で述べたように、無名時代も長かったというコルトレーンさんが第一線で活躍したのは30歳を過ぎた1950年代後半からで、1967年に亡くなるまでの約10年の間を、ものすごいスピードで濃密なジャズ人生を駆け抜けた彼はカリスマ的な人気があり、いくつかのドキュメンタリー映画も作られているほど。

そんなコルトレーンさんの傑作とされる『至上の愛』は、神にささげられたというコンセプチュアルなアルバムで、4部構成から織り成す作品となっています。

活動後期にはフリー・ジャズへと接近するコルトレーンさんの創造性と先進的なスタイルが結実した芸術的傑作であり、同時に商業的成功を両立させた素晴らしい1枚でもあります。

コルトレーンさんのエモーションが炸裂したようなプレイはもちろん、名手たちによる強烈なバンド・アンサンブルは圧巻の一言。

ジャズを聴き慣れない方にとっては難解な一面もあるかもしれませんが、心がまっさらな状態でこの音世界を体感する喜びも、ぜひ味わってみてほしいですね。

KOH-1

Return to Forever

Return to ForeverChick Corea

2021年の2月9日、偉大なジャズピアニストが天国へと旅立ちました。

1941年にアメリカはマサチューセッツ州出身のチック・コリアさんは、圧倒的なスキルと柔軟な姿勢でジャズの可能性を大幅に広げたアーティストです。

幼い頃からピアノに親しみ、名門中の名門ジュリアード音楽院に進学するも、早々に学業は切り上げてプロとして多くの著名なアーティストと共演。

マイルス・デイヴィスさんのグループに参加後はエレクトリック・ピアノ、フェンダーローズを使って野心的な作品を多く発表し、その特異な才能を発揮します。

ジャンルを横断し、50年以上に及ぶキャリアを常に最前線で駆け抜けたチックさんは、エレクトリック・ジャズやフュージョンの立役者でもありますね。

そういった点からやはり挙げておきたいのが、チックさんのソロ名義で1972年にリリース、異例のヒットを記録した名盤『リターン・トゥ・フォーエヴァー』でしょう。

後に同名のバンドを立ち上げるきっかけともなったこの作品は、突出したテクニックを持つプレイヤーたちが作り上げる緻密なバンド・アンサンブルを、あくまでメロディアスに聴きやすい形で曲として昇華した珠玉の1枚です。

ブラジル音楽の香り漂うしゃれた味わいは、カフェ・ミュージックとしても最適ですよ!

KOH-1

Maiden Voyage

Maiden VoyageHerbie Hancock

1960年に若干20歳でプロとして活動を始めたハービー・ハンコックさんは、才能あるジャズ・ピアニストでありながら、自身の楽曲『カメレオン』というタイトルそのままの柔軟な姿勢で、長い活動歴の中でさまざまなスタイルに挑戦し続ける鬼才アーティストです。

名門ブルーノート・レコードからデビューを果たしながらも、ジャズ・ファンクやフュージョンの先駆け的な作品を作り上げ、1980年代には早くもヒップホップの方法論を取り入れるなど、時代の変化とともに自身の音楽性も次々と変化させ、芸術性と商業的な成果を両立させた偉大な存在なのです。

そんなハンコックさんのディスコグラフィの中から1枚を選ぶのは難しいですが、ここでは1960年代当時の「新主流派ジャズ」の名盤として名高い、1965年リリースの『Maiden Voyage』を取り上げます。

『処女航海』という邦題でも知られている本作は、マイルス・デイヴィスさんのバンドとして切磋琢磨していたメンバーが集結し、タイトル通り「航海」をテーマとしたコンセプチュアルなアルバムとなっています。

抑制の効いた知的なアンサンブルは統一感があり、印象的なメロディの数々は雄大で詩情豊かな響きを持ち合わせております。

1人で過ごす夜、この作品を聴きながら物思いにふけってみるのもいいですね。

KOH-1