日本のジャズシンガー。国内ジャズシーンを代表するジャズボーカル
世界に通用する日本のジャズ・ミュージシャンは多く存在しておりますが、代表的な日本のジャズシンガーと言われてすぐに名前を挙げられる方は、意外に少ないかもしれません。
日本におけるジャズシンガーの歴史は、それこそ戦前から始まったものです。
戦後になると、ジャズを下地とした歌謡曲のヒット曲が次々と生まれ、大衆に愛されるスターも多く誕生しました。
そんな歴史を踏まえつつ、今回の記事では幅広い視点で日本のジャズシンガーをピックアップ!
ジャズの素養を持つ往年の大スターから純然たるジャズシンガー、実はジャズを歌っていた意外なあのアーティストまで、バラエティー豊かにお届けします!
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日本のジャズシンガー。国内ジャズシーンを代表するジャズボーカル
マシュ・ケ・ナダ由紀さおり
幼いころからお姉さんの安田祥子さんとともに童謡歌手として活動を始め、1965年にソロ・デビュー。
残念ながらヒットには恵まれませんでしたが、現在の名義で1969年に再デビューを果たし、リリースした『夜明けのスキャット』が大ヒットを記録、一躍人気者となった由紀さおりさん。
自らを「シンガー・ソング・コメディアン」と自称して、女優やテレビ番組の司会などさまざまな分野で大活躍した由紀さんですが、2011年にアメリカのジャズ・グループ、ピンク・マルティーニとコラボレーションしたアルバム『1969』をリリース。
ほとんどの楽曲を日本語で歌いながらも、世界中で大ヒットを記録という快挙を成し遂げましたのです。
ジャズを軸としながらも、歌謡曲としても楽しめる作品ですから、ぜひ一聴を。
(KOH-1)
Come on a My House江利チエミ
同時期にデビューを果たした美空ひばりさん、雪村いづみさんとともに「3人娘」と呼ばれて日本中にブームを巻き起こしたのが、江利チエミさんです。
1937年生まれの江利さんは、12歳という若さで歌手として進駐軍のキャンプを回る仕事をこなし、15歳にして『テネシーワルツ』というアメリカの古いポピュラー音楽の楽曲でデビュー。
『テネシーワルツ』は大ヒットを飛ばし、続いてリリースされた『ツゥー・ヤング』もヒットを記録して、日本のジャズ・ブームを後押しするきっかけとなったと言われています。
江利さんの活動歴はそのまま日本の芸能の歴史につながるほどの偉大なものであり、ここで全てを語ることはできません。
1953年にはジャズの本場、アメリカでデビューを果たしてステージに立ち絶賛を浴びるなど、ジャズ・シンガーとして高い評価を受けている江利さんを知りたい方には、もとCymbalsのシンガーである土岐麻子さんが選曲を担当して2006年にリリースされた『KING RE-JAZZ SWING: CHIEMI SINGS』か、2012年に発表された『Chiemi +Jazz』をオススメします!
(KOH-1)
Lover, Come Back to Me美空ひばり
12歳で天才少女としてデビューした美空ひばりさん、彼女が残したジャズ・スタンダード曲の録音は彼女の曲の中ではあまり知られてはいませんが、歌唱力、スウィング感、歌いまわし、発音などどれをとってもすばらしいものです。
彼女は英語にそれほど堪能ではなかったようですが、天性の耳の良さ、ボードビリアンの川田晴久とともに行った2カ月間のアメリカ・ツアーなどが彼女のジャズシンガーとしてのスキルを上げたのではないかと思われます。
東京ブギウギ笠置シヅ子
「ブギの女王」として知られ、戦後を代表するシンガーの1人である笠置シヅ子さん。
戦前から舞台などで活躍し、日本のジャズ・シーンにおいて多大な影響を及ぼした作曲家、服部良一さんと出会い、ジャズ歌手として売り出し始めます。
本格的に大衆へと知られ始めたのは戦後のことで、先述した服部さんが作曲を手がけて1947年にリリースした『東京ブギウギ』が大ヒットを記録。
戦後の日本を象徴する楽曲として、現代まで愛され続ける定番の名曲となりました。
ブギのリズムに乗って激しく踊りながら歌う笠置さんの姿は、戦後の開放的な空気を顕著に表しているとも言われております。
日本のジャズの歴史や当時の日本のカルチャーを知る上でも欠かせない、偉大な方ですよ!
(KOH-1)
山のロザリアスリー・グレイセス
戦後を代表する日本の女性コーラス・グループといえば、スリー・グレイセスの存在は欠かせません。
ジャズ演奏家であり、ダークダックスやボニージャックスといったビッグネームを世に送り出した小島正雄さんのもとで1958年に結成された3人組の彼女たちは、翌年にリリースされたロシア民謡『山のロザリア』が大ヒットを記録して、1962年と63年の紅白歌合戦に出場を果たします。
1967年には家庭を優先して活動を休止しますが、20数年後の1989年に再結成を果たし、同年にサントリー・ワイン・CFイメージソング『想い出してウクレレ』を発表。
以降は多くのCM曲やテレビ番組へ出演、アメリカのジャズ・フェスティバルへの参加など精力的な活動を続けています。
あの国民的なアニメソング『魔法使いサリー』の歌唱を担当したのも、スリー・グレイセスなのですよ!
ジャズの素養を持ち合わせた、日本が誇るコーラス・グループが残した素晴らしい名曲の数々を、ぜひベスト盤などで聴いてみてくださいね。
(KOH-1)