踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム
アシッドジャズと聞いて、当時のブームの熱気をよく知っている世代の方々はともかく、若い音楽ファンの中には「オシャレなイメージだけど実際にどのような音楽なのかいまいち分からない」と感じている方は多いのでは?
ジャンルというよりは、クラブ世代が生み出した一種のカルチャーそのもの、というべきアシッド・ジャズは、日本においてもSuchmosなどのバンドの登場もあって、にわかに再評価の波が来ているように感じます。
そこで今回は、アシッドジャズのブームを盛り上げた往年の名盤を中心として、2020年代を過ぎた今だからこそ聴きたいアルバムを集めてみました!
もくじ
- 踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム
- Virtual InsanityJamiroquai
- NeverThe Brand New Heavies
- EastsideFour80East
- ChowdownCorduroy
- The Sixth SenseUnited Future Organization
- So FluteSt Germain
- CantaloopUS3
- After HoursRonny Jordan
- Don’t You Worry ‘Bout A ThingIncognito
- Fresh In My MindA Forest Mighty Black
- Down That RoadShara Nelson
- Lift OffGroove Collective
- The Masterplan (Original Extended)Barry K Sharpe
- Love Will Keep Us TogetherJames Taylor Quartet
- Prince of PeaceGalliano
- Loveless4hero
- Real LoveDrizabone
- It Should Have Been YouBlacknuss
- Istanbul TwilightBrooklyn Funk Essentials
- Apparently Nothin’ (Soul River)Young Disciples
- City FolkloreV.A.
- BlackerBallistic Brothers
- JesseMother Earth
- Always There (feat. Jocelyn Brown) [Edit]Incognito & Jocelyn Brown
- Stormy SpringHimiko Kikuchi
- Magic LadyJeff Lorber Fusion
- DoradoBlue Mitchell
- Jive TownBrian Tarquin
- Loungin’Guru Featuring Donald Byrd
- T-JamGeorge Duke
- Show Me The WayGregg Karukas
- 1975Incognito
- Everything Is Going To The BeatAce Of The Clubs
- Elevate My MindStereo MCs
- The Lope SongEddie Russ
踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム
Virtual InsanityJamiroquai
アシッド・ジャズと呼ばれる音楽ムーブメントの中で、商業的にも大きな成功を収めて世界的なスターとなった存在と言えば、イギリス出身のミュージシャンであるジェイ・ケイさん率いるジャミロクワイです。
1992年のデビュー以降、アシッドジャズ・レコーズの看板アーティストとして、クロスオーバーかつ先鋭的な音楽性でシーンを席巻。
ここ日本においても、当時は渋谷系といったオシャレな音楽を聴くリスナー層から注目を集めていました。
そんなジャミロクワイの名前を世界規模のものとしたのが、1996年にリリースされたサード・アルバム『Travelling Without Moving』です。
世界中で700万枚を売り上げた本作には「ジャミロクワイと旅に出よう」という副題がつきましたが、斬新なMVでも有名な代表曲『Virtual Insanity』を始めとして、まさに聴いているだけで音楽の旅に出ているような、最高にクールでカラフルな音の万華鏡といった楽曲群の素晴らしさは、今もなお色あせることはありません。
生バンドによるアシッドジャズの醍醐味を味わいたい方は、まずは本作と初期の2作を聴いてみてください!
(KOH-1)
NeverThe Brand New Heavies
1985年にイギリスはロンドンにて結成されたブラン・ニュー・ヘヴィーズは、アシッドジャズを語る上では絶対に欠かせないグループです。
クラブ世代のジャズ~ファンク・バンドとして、イギリスのアンダーグラウンド・シーンで人気と注目を集め、1990年には伝説的なレーベルのアシッドジャズ・レコーズと契約。
同年にリリースしたデビュー・アルバム『The Brand New Heavies』は、まさにアシッドジャズの歴史における重要な1枚と言えるでしょう。
今回取り上げているのは1990年リリースのオリジナル版ではなく、ボーカリストとしてエンディア・ダヴェンポートさんを迎えて1991年に北米盤として再発されたものです。
『Dream Come True』や『Never Stop』といったクラブ・アンセムを収録しており、70年代のソウルやファンクを下敷きとしながらも、洗練された英国ジャズとしてダンサンブルに料理した楽曲はどれもハッピーなものばかり。
踊れるジャズ、の真骨頂というべき名盤です。
(KOH-1)
EastsideFour80East
ジャズを基調としながらもヒップホップやファンクのエッセンスをちりばめて、生楽器と電子音楽を絶妙にブレンドさせたアンサンブルが最高にスムースでクールな音は、2020年代を過ぎた今でも十分に聴いてもカッコいいですね!
カナダはトロント出身のエレクトロ・ジャズ・ユニットのFour80Eastが1997年にリリースした、デビュー・アルバム『The Album』を紹介します。
1997年といえばすでにアシッドジャズのブーム自体は沈静化していた時期ではありますが、既存のジャズの概念にとらわれない彼らの音楽は、まさにアシッドジャズの魂を受け継いだものと言えますよね。
何となく雰囲気重視のオシャレな音楽とは一線を画した先鋭的なセンスを感じさせますし、だからこそ2020年代の今も現役で活動を続けていられるのでしょう。
フュージョン・ジャズ、スムース・ジャズなどがお好きな方は確実に気に入る作品ですが、オシャレでクールなインストゥルメンタルを探している、という方にも大推薦の1枚です!
(KOH-1)
ChowdownCorduroy
1990年代の、いわゆる渋谷系とされるムーブメントのリアルタイム世代ならば、イギリス出身の4人組インストゥルメンタル・グループ、コーデュロイの作品を青春の1枚として挙げられる方はいらっしゃるでしょう。
彼らの作品は、あのフリッパーズ・ギター~コーネリアスとして著名な小山田圭吾さんが主宰していたレーベル、トラットリアから国内リリースされていたことも踏まえて、ザ・ジェームス・テイラー・カルテットと並んで、当時の空気感を象徴するバンドの1つと言えそうですよね。
そんなコーデュロイの記念すべきデビュー・アルバム『DAD MAN CAT』は、ジャズやソウル、60年代のスパイ映画のサントラから着想を得たような、ファンキーでヒップなインスト曲がずらりと並んでおり、小憎らしいほどにしゃれた味わいのサウンドは、まさに踊れるジャズと呼ぶにふさわしい内容です。
強調しておきたいのは、キャリアのある実力派のバンドとはまた違った、若いミュージシャンならではのみずみずしい感性と、良い意味でのB級感が味わえることでしょう。
作品をリリースするごとに洗練され、演奏技術も明らかに向上した後の作品にはない、デビュー作ならではの魅力をぜひ味わってみてください。
(KOH-1)
The Sixth SenseUnited Future Organization
1990年代に日本のクラブシーンにおいてジャズを浸透させたパイオニア的DJグループ、アシッドジャズユニットがUnited Future Organizationです。
ジャズとダンスビートが融合された革新的なサウンドは当時のクラブシーンを席巻しました。
日本国内にとどまらず世界でも注目を集め、1993年のファーストアルバム『United Future Organization』は、世界29カ国でリリースされたんですよね。
ほとんどの楽曲は楽器の演奏のみのインストゥルメンタルですが、8曲目に収録された『My Foolish Dream』ではシンガーのマンデイ満ちるさんがゲストで参加しています。
(濱田卓也)
So FluteSt Germain
ハウスとジャズの融合でフランス、パリのクラブシーンの発展に大きな貢献をしたアーティストがサンジェルマンさんです。
2000年にリリースされた『Tourist』ではアメリカデビューを果たし、全世界で400万枚を売り上げたんですよね。
ジャズやソウルのさまざまな名曲からサンプリングされていて、聴き覚えのあるフレーズもたくさん出てくるので初めてアシッドジャズに触れる方にもオススメの名盤です。
2021年には発売から20周年を記念してリミックスバージョンもリリースされているので、ぜひ聴き比べてみてください!
(濱田卓也)